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新英語教育研究会神奈川支部HP

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2003.2 劣化ウラン

「劣化ウラン」の問題
会報担当より  2003.2.28に新英研メーリングリストで送られてきた情報です([shin-eiken:0870] 緊急に広めて欲しい案件(お願い)より)。湾岸戦争で使用され、もしもイラクで戦争があれば使われかねない「劣化ウラン」の問題がわかりやすく書かれています。
 1945年の広島・長崎の被爆者の思いを世界に発信する、これは戦後日本に生まれた者に課せられた使命(mission)だと私は信じている。イヌに芸を仕込むような、おちゃらけた英語教育なんてやってられるか! 軍隊を持たないで50年やってきたコスタリカのことを知ったり、原爆を落としておきながら反省のない米軍が使用している劣化ウランの問題を知る、そんな「場」を日本の英語学習者に保障したい。
 大学3年の時に出会ったコロンビアの青年は、私が日本人だとわかると、英語は話さないと言って、フランス語で「広島と長崎のことは知っている。アメリカは気が狂っている」と言ってくれた。コロンビアにまで伝わっていたんだ、と驚くとともに、英語が万能ではないと悟った瞬間だった。英語偏重ではダメなんだ! 英語から次の言語へと「橋渡しとしての英語教育」を考えていきたい、と私は考えている。
発信者 糟谷です。(このメールは、多数の方に送っています。)「戦争ができる時代は終わった」 強烈なメッセージです。以下の記事を読むと、
・・いったい私達は、次世代に何を残せるのだろうか
・・何に向かって、がんばって生きているのだろう
などの塞ぎこみに襲われそうですが、そんなセンチメンタリズムに浸っても入られません。
とにかく、攻撃を諦めてもらわねば。世の中の雰囲気を、さらにみんなで創っていきたいです。
翻訳者 以下転載:from★ 星川 淳@屋久島発 インナーネットソース #33 [03.02.27] ★
★今号は一つだけ、緊急に訳して紹介したいインタビューがあったのでお届けします。アメリカの「ベテランズ・フォー・ピース」(平和を求める復員軍人会)という団体の2月26日付メールニュースで「広めてくれ!」と書かれていたものです。大急ぎの訳なので間違いなどがあるかもしれませんし、『YES!』誌の許可も得ていませんが、イラク情勢に免じてお許しください。
 英語タイトルのとおり、そして日本国憲法が宣言したとおり、もう戦争で何かが解決できる時代でも世界でもないことを、いまこそはっきり確認すべきですね。
★スコット・リッター招聘実行委員会は、イラク攻撃に関する全国会議員アンケートを実施しました。対米盲従の日本政府に冷や水を浴びせるその結果など、新しい情報や資料を更新しています。http://www.ribbon-project.jp/ritter.html
要旨 米誌『YES!』(2003年春号)より ダグ・ロッケ米陸軍少佐の証言
「これは私たち自身に対する戦争だ」(The War Against Ourselves)
原文→ http://www.yesmagazine.org
湾岸戦争に従軍したベテラン陸軍少佐ダグ・ロッケは、イラク国内の戦闘で米軍兵士の安全を図る任務についた。そこで知った米兵とイラク一般市民双方への劣化ウランなどによる戦争被害の実態は、彼に「もう戦争ができる時代は終わった」と確信させるものだった。
インタビュー全文
  保健物理学の博士号をもつダグ・ロッケは、もともと法医学畑の出身。湾岸戦争時、アメリカ陸軍から核・生物・化学戦に向けた兵士の訓練という任務を与えられて現地入りした。その体験にもとづき、彼はいま全米をまわって平和を訴える。このインタビューはトラップロック平和センターの理事サニー・ミラーが行なったもので、『YES!』誌からの質問も含まれる。

Q: 湾岸戦争をテレビで見た人たちは、遠隔操作の楽勝で、米兵の被害もわりあい少ない印象を受けました。実態はどうだったんですか?
ロッケ: 湾岸戦争が終わって1991年の秋にアメリカへ帰還したとき、米兵の死傷者合計は760名でした。死者294名、負傷と病気が400名あまりです。ところが現在、湾岸戦争復員兵の死傷率は約30%に達しています。2002年9月の復員軍人援護局(Veterans Affairs=VA)報告によれば、実戦後も含めて現地入りした将兵のうち22万1000人が障害補償を受けました。米軍戦死者の多くは、ウラン弾による味方の誤射・誤爆が直接原因で死んでいます。米軍が米軍を死傷させたわけです。
  われわれは、ウラン粉塵の風下にいた者、ウラン汚染現場とその周辺で作業した者、ウラン弾を被弾した車両や建物の中に立ち入った者のすべてに対し、医学治療を行なうよう提言しました。米軍だけでも何千・何万もの兵士が該当しますが、治療は米軍にとどまらずイラク兵にも、またその被害を受けたイラクの女性や子どもたちにも施されるべきですし、イラク国内の汚染除去も行なわなければなりません。
  さらに、被害はイラクの子どもたちにとどまらず、帰還した米兵から生まれた子どもたちにもおよんでいます。米軍は、復員兵の精液中からウランが検出されることを認めました。精液中にウランが出ているというのは、遺伝メカニズムがめちゃくちゃになっているということです。その条件で受胎された子どもは、アルファ放射線によって凄まじい細胞損傷や遺伝子損傷を受け、何もかもおかしくなります。湾岸戦争に従軍した男性兵士から奇形児が生まれる確率は通常の2倍、女性兵士では3倍に上るという研究結果が出ています。

Q: あなたは35年間も軍務についてこられました。ベトナム戦争では爆撃手を務め、いまでも陸軍予備役に登録しているとのこと。それでも現在、全国をまわりながら劣化ウラン(depleted uranium=DU)の危険について警鐘を鳴らしています。劣化ウランの問題をおおやけにしなければいけないと決意した理由は何ですか?
ロッケ: 湾岸戦争で私のチームにいた全員が病気になりました。親友のジョン・シットンが瀕死の症状に陥ったのに、軍は医療責任を拒否し、ジョンを死なせました。彼は湾岸戦争全体の医療避難通信システムを構築した功労者ですよ。その任務で被曝したのです。
  ジョンとローラ・ドルフと私は、民間人としても軍人としても無二の親友でした。ローラも病気にかかりました。彼を戦地に送る命令は私が受けたのです。私たちは二人そろって配属されました。私の任務は兵士たちに核・生物・化学戦争について教え、無事に復員させることでした。私はその任務に心血を注ぎました。湾岸戦争で私に与えられた軍命は単純明快、「兵士を生きて国へ連れ戻せ」でした。しかし、私がそれに必要な訓練内容をまとめ、環境浄化マニュアルを書き上げ、医療指示をすべて整えたにもかかわらず、何ひとつ実行されなかったのです。友軍の誤射・誤爆によって100人以上の米兵が劣化ウランに被曝しました。そのうえ、劣化ウラン弾を被弾した敵の戦車に入ったり、写真を撮ったり、土産の戦利品を集めたりして被曝した兵士は数えきれません。危険について知らされていなかったのです。
  劣化ウランはきわめて有効な兵器です。10ポンドの対戦車砲弾は大部分がウラン238で、微量のプルトニウム、ネプツニウム、アメリシウムが含まれています。自然発火性があって着弾すると高熱を発し、比重が重たいので戦車の装甲を貫通することができます。ウラン弾を被弾した車両や建物は内部が火事場と化すため、凄まじい火傷や裂傷が見られました。それは無惨なものです。
  米軍がイラクの生物・化学・核兵器の備蓄を爆破することにしたせいで、米兵やその地域に住むすべての人びとが被害を受けました。いたるところで、化学物質探知機やガイガーカウンターの針が振り切れていました。なかには生物兵器もありましたし、破壊された原子炉もありました。イラク全土が毒物の荒野だったのです。そして、この修羅場に劣化ウランが加わっていました。
  私たちが最初に劣化ウランの除染命令を受け、サウジアラビア北部に到着すると、72時間以内に病状が現われはじめました。呼吸器系障害、発疹、出血、皮膚潰瘍などが、ほとんど到着と同時に発症したのです。環境中に大量の放射性粒子が存在し、それを吸入しはじめると、粒子は咽頭の裏側に付着します。一人目のガン患者が出ると、あとはまたたくまに広がりました。当時、一緒に仕事をした父子がいますが、父親はすでに肺ガンで亡くなり、病身の息子にはまだ医療補償が認められていません。

Q: 何が起こっているのかご存知でしたか?
ロッケ: 湾岸戦争がはじまったとき、劣化ウランのことなど何も知らされていませんでした。兵士は上官の命令に従うものですが、上からは劣化ウランに健康上の悪影響はないと聞いていたのです。けれども、この物質について調べはじめ、物理学や工学の知識と照らし合わせてみると(私の専攻は環境科学と工学でしたから)、それらの知見や実際の見聞と軍の公式見解との矛盾にすぐ気づきました。
  1991年6月にアメリカ本国へ帰還したとき、私は病気でした。呼吸器系疾患や発疹や神経障害が現われはじめていたのです。

Q: なぜ復員軍人援護局に医療補償を求めなかったのですか?
ロッケ: まだ現役兵士の身分だったので、医療補償の申請はできないと言われたからです。復員軍人援護局に申請するには、軍務と病状とのつながりを示す情報がなければなりません。復員軍人援護局の補償がとうてい見込めなかったので、私はかかりつけの個人医に相談しました。当時は原因がわかりませんでしたが、とにかくあまりにも多くの復員兵が病にかかっていたのです。
  軍は私や私のチームに対して医学テストを行ないませんでした。1992年に出された国防総省のガイドラインによれば、尿中のウラン排出量が一日あたり15マイクログラムを超えたら、すぐに医学テストを受けることになっていますし、一日あたりの尿中ウラン排出量合計が250マイクログラムを超えたら、継続的な医療を受けなければならないとされています。
  1994年11月、私が国防総省の劣化ウランプロジェクト主任担当官だったとき、ようやく私の放射生物学的測定が行なわれました。一日あたりのウラン排出量は約1500マイクログラムでした。継続的な医学治療を受けるべきレベルの5倍から6倍です。しかし、そのことは二年半ものあいだ私に知らされませんでした。

Q: 劣化ウランに被曝すると、どんな症状が現われるのですか?
ロッケ: 線維筋痛(せんいきんつう)です。放射線による白内障も起こります。ウランが車両や建物に着弾すると、酸化ウランの塵とウランの破片があたり一面に飛び散ります。人間はこれを吸い込んだり、傷口から取り込んだりします。体内に入ると、この一部が水溶性となり、血液を通じて全身に広がります。不溶性の微粒子は、たとえば肺などにとどまります。放射線とそれら微粒子が肺を破壊するのです。

Q: いま、第二次湾岸戦争がはじまりそうな場所へ送り込まれている部隊は、どんな訓練を受けたのですか?
ロッケ: 私は劣化ウランプロジェクトの主任担当官として40時間で完結する訓練計画を作成しました。ところが、そのプログラムは丸々お蔵入りになっています。軍は私が書いたものを20分のプログラムに焼き直しましたが、ウソばかりです。ウラン弾の実態をとらえたものではありません。
  装備にも欠陥があります。会計検査院(GAO)の検査で、ガスマスクも化学防護服も漏ることがわかりました。信じられないことに、国防総省の役人が最近、そういう欠陥はガムテープで補修できると言いました。

Q: もし隣近所の人たちが不十分な訓練と装備で戦場に送られ、しかも劣化ウランなどの毒物兵器で戦うとしたら、それに対して異議申し立てをできるのはだれでしょうか?
ロッケ: 兵士の夫や妻、息子や娘、祖父母、叔父や叔母のだれでも、自分の選挙区の国会議員に電話をかけ、いま私が引用したような政府の公式報告を挙げて、軍が兵士たちに必要十分な装備と訓練を与えることを求めるべきです。もしわれわれが、湾岸戦争後に起こったように米軍の復員兵士を正しく処遇しないのなら、そんな戦争はすべきではない。それは神への冒涜です。戦争でウラン弾を使うのは人類に対する犯罪ですし、戦争の結果を無視することも許されざる罪悪です。
  この結果は永遠に続きます。ウラン238の半減期は45億年です。それを、湾岸戦争でわれわれは320トンもイラクに残してきたのです。米軍はコソボ攻撃の訓練中、プエルトリコのビエケス島にもウラン弾を落としました。アメリカ領に住むアメリカ市民に対してそれをやったのです。私が国防総省のチームを動かして、ビエケスの放射能に関する安全対策と劣化ウランの除染を行なおうとしたら、それを差し止められました。現地で医療対策を取ろうとしたら、それも止められました。
  アメリカ陸軍は、私をこの分野の専門担当官に任命したのですよ。私は軍人ですから、米軍がウラン弾を使用できるよう、全力でその任務を遂行するつもりでした。しかし、劣化ウランプロジェクトの主任として、自分や他のあらゆる復員兵の病状を見ながら研究を進めたすえ、私が達した結論は、ウラン弾は地球全体で永久に禁止すべきだということです。そして、あらゆる被害者に医療の手が差し伸べられるべきです。アメリカやカナダ、イギリス、ドイツ、フランスといった多国籍軍の復員兵士だけではありません。ビエケス島のアメリカ市民にも、イラクや沖縄の住民にも、スコットランド、インディアナ、メリーランド、さらにはアフガニスタンやコソボの人びとにもです。

Q: もしあなたの情報が広まったら、いまイラク戦争に向けて配属された兵士たちの家族から、兵役拒否の嘆願が出てくる可能性はあると思いますか?
ロッケ: もし毒物の荒野に送り込まれ、穴のあいたガスマスクや化学防護服をつけなければならず、しかもそれらの毒物にさらされたあと何も医療補償を受けられないことがわかっていたら、あなたはそんな戦争に行きますか? 政府が戦争をしかけたくても、兵隊が一人もついていかなかったらどうでしょう。どこかで平和をはじめなければいけないんですよ。

Q: 35年も軍にいた人が、平和への着手について語るなんて驚きですね。
ロッケ: こういう話をするとき、とくに教会だと、「そして幼な子がわれらすべてを平和へと導いた」という聖書の一節を思い出します。しかし、もし環境を汚染したら、どこから子どもが生まれますか? 子どもたちが消えてしまうでしょう。もう戦争ができない時代になったのです。その理由は、のちのち兵士や環境に与える影響が手に余るからですが、一番重要なのは非戦闘員への影響です。使用する兵器のせいで、戦争による汚染や健康被害を除去できなくなったら、敵味方双方の戦闘員にも民間人にも医学治療が与えられなくなったら、残された道は平和しかないのです。    (翻訳: 星川 淳)



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